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健康

2018.07.06

魚油成分(DHA)は視細胞を疾患から保護する

魚油成分のオメガ 3 脂肪酸である DHA および DHA 誘導体は、視覚に不可欠な細胞を、致命的となり得る損傷が生じた後に保護するだけでなく損傷の予防にもなり、
さらに、“プレコンディション”により、光受容体および網膜色素上皮(RPE)細胞の生存にも関与していることが判明した。米国、ルイジアナ州立大学からの研究報告です。

「得られた知見は、DHA とドコサノイド(疾患または損傷の発生時に脳内で作られる分子)は、長時間続く細胞メカニズムの活性化に関与することで、
長時間のプレコンディショニング保護を誘導する、として提出された考えを支持するものである。」と主任研究者のニコラ・バザン博士は述べています。

プレコンディショニング(PC)刺激は、将来の致命的な刺激に対する対抗制御的な防御応答を活性化する亜致死のストレッサーまたは薬理学的なストレッサーである、と著者らは説明。
例えば、器官への血液供給が短時間中断され、その後再び回復するとプレコンディショニングが行われ、損傷が初めて生じると防御応答が起こり、その後血液供給不足が生じるとの事。
これは、将来の疾患曝露に対してワクチンがもたらす免疫とよく似ているということです。

「同様のことが、心臓、脳、網膜、その他の臓器でも起こる」とバザン博士は述べている。プレコンディショニングの治療可能性を活用するには、直接的に関与する分子を同定することが非常に重要である。」と述べています。

魚油には、オメガ-3 であるドコサヘキサエン酸(DHA)およびオメガ-6 であるアラキドン酸(AA)といった 2 種類の多価不飽和脂肪酸(PUFA)が含まれているが、これらの脂肪酸の作用は全く異なるものであることが知られています。
オメガ-3PUFA および酵素による代謝で生じる代謝誘導体であるドコサノイドは、強力な抗炎症作用および炎症改善促進作用を示しています。
一方、オメガ-6PUFA 誘導体は炎症誘発作用を示しており、研究者らはこれら 2 種類のPUFA は同時に放出されるにもかかわらず、DHA はアラキドン酸の作用を変えられることを見出しています。

そして、酸化ストレスによる損傷が起こる前に DHA を補給すると、保護作用のある DHA 誘導体の合成が増加し、アラキドン酸の合成は徐々に減少することもわかりました。
「得られた知見は、DHA およびドコサノイド合成の誘導が、光受容体および網膜色素上皮細胞のプレコンディショニング保護に必要であること、したがって日々の生存に必要であることを実証している」とバザン博士は説明。
オメガ 3 障害は、光受容体細胞の機能障害や死滅の原因となる神経炎症に関連しているため、ドコサノイドの合成を強化することは、例えば、乾燥性加齢性黄斑変性など、衰弱性の網膜変性疾患の進行を防ぎ、治療につながるかもしれない。」とバザン博士は結論しています。

出典:Retinal Pigment Epithelium and Photoreceptor Preconditioning Protection Requires
Docosanoid Signaling/Knott, E.J., Gordon, W.C., Jun, B. et al. Cell Mol Neurobiol (2017).