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健康豆知識

健康

2018.10.12

夜型生活、わずか1日で代謝・免疫関連たんぱくを乱す

徹夜して日中は寝ているという生活は、数日で100種以上のたんぱく質のレベルと時間ごとの発現パターンを混乱させる可能性があるといいます。
これらのたんぱく質には、血糖値やエネルギー代謝、免疫機能に影響するものの含まれるとのこと。米国コロラド大学の研究。

この研究はヒトの血液中のたんぱく質レベル、いわゆる血漿プロテオームが24時間でどのように変化するか、そして睡眠と食事のタイミングがそれらにどう影響するかを調べた初めてのものだ。

さらに、食事と睡眠のタイミングに関係なく体内の概日時間に応じて変化するたんぱく質を30種特定。
今回の結果は糖尿病やがんのリスクが高く全労働人口の20%を占める夜勤労働者の治療のために、新しいドアを開くことになるかもしれません。

デプナー氏らの研究チームは今回の実験で、20代の健康な男性6名を対象に、食事・睡眠・活動・露光量を厳密にコントロールした中で6日間過ごしてもらいました。
最初の1~2日目には、通常のスケジュールとし、その後シミュレーションされた「夜勤パターン」(徹夜して夜間に食事をし、日中8時間の睡眠を取る)に段階的に移行、そして被験者の血液を4時間ごとに採取し、最新技術によって1129種のたんぱく質発現の日内変動を評価しました。

すると、夜勤パターンによってすぐに変化が生じるたんぱく質129種が明らかになりました。
この変化は、夜勤パターンへの移行開始から2日目にはもう起こっており、たんぱく質発現の日内変動は昼夜逆転していたとの事。

その中のたんぱく質のひとつ、グルカゴンは肝臓に作用して血糖を上昇させるホルモンですが、今回の実験では被験者が徹夜すると、通常とは逆で夜間にそのレベルが急増しただけでなく、ピークがより大きくなったとの事。長期に渡るこのパターンは、夜勤労働者の糖尿病罹患率の高さの説明になるかもしれない、とデプナー氏は話しています。

また、夜勤パターンは繊維芽細胞成長因子19(FGF19)のレベルを低下させることもわかりました。FGF19は、動物モデルでカロリー燃焼(エネルギー消費)の促進作用が示されています。今回の実験では、夜勤パターンによって被験者のエネルギー消費量が1分あたり10%低下することが発見され、ほかにも明確に24時間のサイクルをもつ30のたんぱく質には午後2時から9時の間にピークを迎えることも示されています。

先行研究では、特定の臓器においてたんぱく質をコードする遺伝子発現の日内変動パターンが示されています。
血液中のたんぱく質を調査することによって、より広範囲かつ詳細に、何がおきているのかをリアルタイムで知ることができるだろう、とデプナー氏。

なお、今回の実験は被験者を薄暗い環境に置いて行ったため、概日システムに強く作用するとされる露光については結果に影響しないものとしています。
夜間に電気光を煌々と浴びたわけではないのに、たんぱく質の変化は広範囲に及んでいました。

共同研究者のライト氏は、「このことは、単純に夜間光の問題ではないことを示しています。誤った時間に食べたり起きていたりすることも、同様の影響を持つ可能性があるのです」としています。

出典:Christopher Depner,Mistimed feeding and sleep alters 24 hour time-of-day patterns of the human plasma proteome ,PNAS published ahead of print May 21, 2018 https://doi.org/10.1073/